2013年8月28日水曜日

高齢者向けの「お買い物無料送迎バス」


三重県伊賀市佐那具町のスーパー「マックスバリュ佐那具店」を利用する高齢者向けの「お買い物無料送迎バス」の利用者が今月、1万人を突破した。伊賀市柘植町のNPO法人「ゆいの里」が国の補助を受けて2011年11月から運行を始め、補助期間終了後の昨年4月からは店側が費用を負担して継続している。27日、店で記念のセレモニーが開かれた。


 バスは平日1日4便で5コースをまわる。定員15人のバスが地区をまわり、店まで利用者を乗せていく。1時間の買い物のあと各地区まで送る。現在の利用者数は269人いる。開始から1年9カ月となった今月9日、利用者が延べ1万人を突破した。


 「ゆいの里」は、旧伊賀町地域の街づくりなどに取り組んでいる。「買い物難民」をなくそうと、運転手とスタッフを確保してバスを運行してきた。現在は店を経営するイオン傘下のマックスバリュ中部(名古屋市中区)が運転手らの人件費や燃料費、車両の管理費を負担している。


 この日のセレモニーはスーパー前であり、1万人目となった伊賀市野村の利用者グループ8人に店側から花束とのりやゼリーの詰め合わせが贈られた。


 月に3回ほど利用するという中川貴代美さん(80)は「わざわざ家族に車を出してもらわなくてよくなったので、本当に助かります。これからもずっと続けてほしい」と話した。

 ゆいの里の藤井明和理事長(79)は「大勢の人が利用してくれている。地域の人たちやマックスバリュの関係者に感謝したい」と話し、マックスバリュ中部の塩津和彦・第7営業部長(53)は「1万人がゴールではない。2万、3万、10万人と利用を増やし続け、引き続き地域の人たちのために貢献したい」と話した。