2013年9月9日月曜日

最高気温は38度


  最高気温は38度、週平均気温が37度の教室も――。エアコンが設置されていない埼玉県川口市の小中学校の普通教室の室温が、市教委の資料から明らかになった。同市ではエアコンの早期設置要望が保護者らを中心に根強いが、市教委はこの夏も拒み続けてきた。

 室温の測定と公表は、市議会の会派「川口みらい」の求めに応じた。昨年12月定例会で、木岡崇代表が「教室内の室温が何度かも把握せずに、エアコン不要の結論を出している」と指摘していた。

 市教委によると、測定は6月24日から夏休みを除く9月30日まで実施。小中学校各10校の学年と階層ごとの普通教室90カ所で、午前と午後に測っている。

 それによると、7月8~12日の週の最高は38度で、平均34度。いずれも午後の測定値で、午前より各3度高かった。同16~19日の週の最高は37度で、平均は30度。すべて、同時期の気象庁の気象統計情報(さいたま市)の気温を大幅に上回っている。

 文部科学省の学校環境衛生基準は「教室の温度は10~30度が望ましい」としている。市教委は「この夏は30年に1度の異常気象ともいわれ、9月末までの結果を見て分析したい」(学校保健課)としている。

 市教委はこれまで、議会などで「エアコンが必要なのは2カ月程度。暑い時期の過ごし方や暑さを防ぐ工夫を学ぶことも大切」と説明。体の温度調節機能の低下や外遊びの減少を懸念する意見もあるという。

 川口みらいは「良好な教育環境の提供は、教育行政の大きな役割の一つ。測定結果を誠実に受け止め、来年度からのエアコン設置を重ねて要求する」とした緊急声明を発表した。