2013年5月30日木曜日

行政サービス単価比べ

身近な行政サービスについて単価を比べ合い、事業にムダがないか検証してもらおうと、北本市などが参加を呼びかけた調査に、北海道から沖縄県まで72市が名乗りを上げた。県内からも北本市を含めて7市が参加する。

 図書貸し出しや道路維持など11項目について人件費などのコストを調べ、図書貸し出しなら1冊あたり、道路維持なら1キロあたりの単価を算出。参加した市の最高値と最低値、平均値をはじき出す。 

 同様な調査は昨年11月、49歳までに当選した市長でつくる全国青年市長会(会長=石津賢治・北本市長)の会員62市中11市で初めて実施された。さらに客観的な比較をするため、呼びかける対象を会員市以外にも広げることに。政令指定都市や被災3県の市などを除いた全国672市に加え、会員市のうち昨年の調査に参加しなかった51市にも改めて声をかけた。

 事務局の北本市に参加の意向を伝えてきたのは61市。昨年の調査に参加した11市を加えた72市で調査、比較を行うことになる。北本市政策推進課の三橋浩範主幹は「予想を上回る参加が得られた」とし、結果は7月中を目標にまとめたいという。

 県内からは北本市のほか、昨年も参加したさいたま市に加え、秩父、戸田、和光、八潮、富士見の各市が参加する。初参加5市は「業務見直しなどの判断材料になりうる調査で魅力的」などとしている。

 ただ、例えば道路維持のコストでは雪国の場合、除雪費が加算されたり、さいたま市では県道や一部の国道の維持費が加わったりするなど、単純に比べられない要素もある。

■昨年の調査、低コストだったのは

 昨年の調査に県内から参加したさいたま市と北本市。結果には、際だった項目もあった。

 2011年度、さいたま市の図書貸し出しコストは1冊あたり210円。参加11市の平均より95円安く、最低より9円高いだけだった。市中央図書館管理課は「さいたまは政令指定都市の中でも市民1人あたりの貸出数が最多。購入図書もニーズに対応できているのではないか」という。

 また、ホームページの管理運営費はアクセス1件あたり1円で11市の最低だった。市広報課は「人口が多く、アクセス数が多いために安くなっているが、必ずしもそれで良しとは言えない。利用者が求める情報に早くたどりつける工夫を重ねたい」という。

 一方、北本市は扶助費も含めた生活保護業務のコストが受給者1人あたり年約147万円で11市の最低だった。市は「担当職員1人あたりの受給者数が多く、人件費が抑えられている面はある」としている。