2013年6月7日金曜日

千代田区子どもの遊び場に関する基本条例

千代田区子どもの遊び場に関する基本条例
「お父さんやお母さんが子どもの頃は、もっと外で遊んでいたって聞くけれど、今はあんまり外で遊ばないね。」
「そうだね。家でテレビを見たり、ゲームをすることが多いなあ。」
「塾や習い事で時間もないけど、たまには外で思いっきり遊びたいよね。」
「うん。みんなで集まってキャッチボールとか、サッカーとか、いろんな遊びができる場所があったらいいよね。」
「でも、この前、公園でキャッチボールをやっていたら、近くにいた人に『危ないから止めなさい』って注意されちゃった。」
「それは、『ボール遊び禁止』の公園だったからでしょ。」
「でも、ボール遊びが禁止でない公園なんてあるのかな?」
「たぶんないと思う。でも、もしあったら楽しいかも。」
「そうだよ。けがとかしないように、みんなで気をつけて遊ぶよね。」
「知らない子も仲間に入れてあげてさ。」
「友だちの弟や妹とか、小さい子がきたら遊び方やルールを教えてあげたいよね。」
「そういう遊び場が近くにあったらいいね。」
区内の小学生より
子どもが外遊びをするためには、「時間」「空間」「仲間」という3 つの「間」が必要と言われている。
しかし、今の子どもたちは、塾や習い事などで忙しく、また、室内でゲームなどをして過ごすことが多いことから、昔に比べて外で遊ぶ時間が少なくなっている。
一方、都市化の進展により、空き地や原っぱが失われ、公園や広場では他の利用者にも配慮して制約が多いこともあり、子どもたちが自由に遊べる空間が少ないという現状がある。
更には、少子化の進行により兄弟姉妹や近所に住む子どもが減少し、外遊びの仲間づくりが難しくなってきている。
かつては、広く社会に「子どもは外で遊んで学び、育つもの」という認識があり、子どもたちは、外遊びを通して人間関係や社会規範などを学び、体力や運動能力も自然と身に付けてきた。いつの時代の子どもたちにも、外遊びは欠かせないものである。
千代田区は、区を構成する全ての人々が連携・協力し、将来を担う子どもたちが、外遊びを通して健やかにたくましく育つことのできる社会を築くため、この条例を制定する。
(目的)
第1条 この条例は、千代田区(以下「区」という。)が実施する子どもの遊び場(以下「遊
び場」という。)に関する施策(以下「施策」という。)等について定め、区並びに区民及
び区内事業者等(以下「区民等」という。)が、子どもの成長過程における外遊びの必要性
及び重要性を認識し、子どもが外でのびのびと遊ぶことができる環境づくりに協力し、もっ
て子どもの体力及び運動能力の向上並びに健やかな育成を図ることを目的とする。
(施策)
第2条 区は、次の各号に掲げる施策を推進するよう努めるものとする。
(1) 利用可能な区有地を活用して遊び場を確保すること。
(2) 区立公園、児童遊園、広場等については、利用状況を勘案しながら運用方法を工夫する
ことにより、子どもが可能な限り自由に遊べるよう配慮すること。
(3) 遊び場として利用可能な場所を確保するため、区民等に協力を求めること。
なお、区民等から当該場所の提供を受けた場合は整備し、管理及び運営を行うこと。
(4) 遊び場の管理及び運営を行う人材を確保し、育成すること。
(5) 遊び場に関する意識啓発及び周知を行うこと。
(6) 区内で自発的に遊び場を整備し、管理及び運営を行い、又は子どもに外遊びを教えてい
る区民等を支援すること。
(7) 前各号のほか、必要な措置を講じること。
(区民等の責務)
第3条 区民等は、子どもが外遊びをすることの必要性及び重要性を理解し、区が実施する
施策に協力するよう努めるものとする。
(保護者の配慮事項)
第4条 小学生以下の児童及び幼児の保護者は、子どもが外遊びをするよう促すとともに、
そのための時間が持てるよう配慮するものとする。
(推進会議)
第5条 区は、施策を円滑に推進するため、区及び区民等で構成する推進会議を設置する。
(委任)
第6条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行について必要な事項は、別に定める。
附則
この条例は、平成25 年4月1日から施行する。