2012年12月28日金曜日

家庭ゴミ有料化先送り・奈良天理市


天理市が来年10月実施を目指していた家庭ごみの有料化が、頓挫した。12月市議会に条例改正案を提案する予定だったが、「まだ市民の理解を得ていない」として見送った。計画を1年先送りして2014年秋実施を目指す。

 市によると、家庭から出される可燃、不燃、粗大ごみの3種類を対象に45リットル入り、30リットル入り、15リットル入りの指定ごみ袋を45円、30円、15円で市民に購入してもらう計画。手数料収入は、ごみ焼却施設の建設資金などに充てる。


 市は昨年、市民3千人を対象にしたアンケート(回収率41.2%)を実施したところ、賛否が割れた。今年9月には「パブリックコメント」を募ったところ、18人から76件の声が寄せられた。「ごみの量は減っており、有料化の根拠はなくなった」などの反対のほか、多くは有料化に慎重派だった。


 市議会内部でも「このままでは地元に説明しにくい」「市民に説明する時間がもっと必要だ」とする声が大勢を占めた。12月市議会本会議で計画について問われ、南佳策市長は「内部で再検討した結果、まだ十分に理解が得られていないと判断した」と先送りの理由を説明した。



 市は今後、市内130カ所で町単位の説明会を開き、有料化への理解を深めたいという。