2013年1月18日金曜日

コンビニを防犯拠点・滋賀



仕事や学校帰りの女性を狙ったわいせつ事件が後を絶たないことから、大津署は、コンビニエンスストアを防犯拠点として活用する「セーフティーステーション事業」を始めた。大津市大萱1丁目の「セブンイレブン瀬田駅前店」をモデル店に指定。防犯グッズを貸し出したり、犯罪情報を伝えたりして、防犯のための有効な手立てを探る。

 県警は昨年5月と9月に県内に「痴漢等多発警報」を発令するなど、女性を狙った犯罪に頭を悩ませている。昨年1月~11月には強制わいせつや痴漢などの性犯罪が301件発生。うち大津署管内は87件と3割近くを占め、前年同期比で15件も増えている。 

 モデル店では、夜間に1人で帰宅する女性向けに、県警から提供を受けた防犯ブザーやライトの貸し出し▽反射材や啓発チラシの配布▽店内の掲示板で犯罪発生状況を情報発信▽店員による「気をつけてお帰り下さい」の声かけ――を中心に始めた。今後、JR駅周辺のコンビニを中心に事業を広げていく。

 県警生活安全企画課によると、被害者の6割以上を10代後半~20代前半の女性が占め、夜間の被害が大半。短いスカートの女性が狙われ、携帯電話で通話中や音楽を聴きながら歩いているときの被害が目立つ。声をかけられ、戸惑ううちに被害に遭うケースもあるという。 

 県警幹部は「(県南部の市街地では)夜遅くまで開いている大型店やチェーン店が進出し、仕事帰りに買い物をする女性も多い。夜間に1人で出歩く機会が増え、そうした女性を狙った犯罪も増える。コンビニを訪れた女性が啓発チラシや犯罪発生情報を見て『気をつけよう』と意識するだけでも防犯効果はある」と期待する。 

 モデル店の久保敏彦店長は「コンビニの店舗数は交番の数より多く、警察と連携すれば防犯に大きく貢献できる。コンビニが女性の安全拠点としての役割を果たせるよう、今後も協力していきたい」と話した。

■啓発チラシに書かれた防犯対策

・マスクで顔の一部を覆い、表情を見せない

・ジャンパーや帽子を着用して高校生に見えない格好をする 

・路上で携帯電話などの操作をしない 

・普段から早足で歩き、不審だと感じたら小走りする

・前後20メートルから不審な人物が来たら走って逃げる 

・夜間は連続して電灯がある道を選ぶ 

・背後から襲われたら手にかみついたり、大声を出したりする