2013年1月29日火曜日

地域を歩いて気づいたことを地図にまとめる・高知四万十町


  防災をテーマに地域を歩いて気づいたことを地図にまとめる「第9回小学生のぼうさい探検隊マップコンクール」(日本損害保険協会、朝日新聞社など主催)で、四万十町興津の町立興津小学校が審査員特別賞を受賞した。南海トラフ地震で、同小周辺は5~20メートルの津波浸水が想定されている。「地域の一員として、この地域を救いたいという気持ちが作品に反映されている」と評価された。

 コンクールには全国417の小学校・団体から2018点の作品が寄せられた。同小の5、6年生14人が、興津を郷分(ごうぶん)、浦分(うらぶん)、小室の3地区に分けたマップを作成した。そのうち海に近い浦分地区のマップが受賞。2009年以来3年ぶり4度目の入選となった。小学校がある郷分地区を描いたマップも佳作に選ばれた。 

 興津を3地区に分けたのは、「少しでも詳しい(マップの)方が人を救える」という児童らのアイデアから。総合的な学習の時間を利用して昨年5月から取り組み、当初はあわせて1枚にする予定だったが、それぞれの地区を担当するチームごとに独自の意見がわきだし、タイプの違う3点の作品になったという。 

 受賞した浦分地区のマップは縦約110センチ、横約80センチの模造紙に描かれ、タイトルは「地域をすくう防災マップ」。チーム名「興空(おきぞら)」の児童5人が漁港周辺を中心に最も海から離れた民家まで歩き、「道より低い所に家があったので、津波が来たらあぶない」「地しんのときに、かわらがおちてきそう」「ブロックベイ(塀)にひびがはいっているので、地しんが来たら、くずれてきそう」など、気づいたことを写真とともに書きだした。 

 また実際に避難場所までの避難時間を地点ごとに示し、「歩いてるのと走って逃げるのとでは、約1分30秒の時間差がありました。お年よりではもっと時間がかかります」とまとめた。 

 児童らは「普段は自転車で通る道をゆっくり歩くと、あぶないところがあることに気づいた。地図に収まりきらないので、調節するのが大変だった」と話していた。