2013年11月6日水曜日

北海道建設部発注4~9月分不成立 前年同期比3.5倍

 道建設部が4~9月に発注した公共工事で、入札参加業者がいなかったり、入札額が予定価格を超えたりして成立しなかった工事が前年同期の3・5倍に増えた。技術者や労働者が不足し、資材の調達も難しいことが背景にあり、道は発注条件をより柔軟にして対応する。

 道が5日、道議会建設委員会に報告した。
 4~9月に道建設部が入札にかけた工事は1563件。このうち9・9%にあたる154件が成立しなかった。前年同期の工事は1495件で、成立しなかったのは2・9%の43件だけだった。
 不成立の154件を工事の種類でみると、道路や河川、トンネルなどの土木工事が127件、建物の工事が20件と多かった。また設計金額別では3千万円未満が108件を占めた。
 道の担当者は、国による公共事業が大きく増え、さらに消費増税前の駆け込みで民間の工事も多いため、技術者や労働者、資材が不足しているとみている。

 例えば請負額2500万円以上の公共工事では法律上、主任技術者を常駐させる必要があり、一人の主任技術者が複数の工事を掛け持ちすることは難しい。このため、大手に比べて人材が少ない中小業者にはハードルが高い。また道路の維持補修のように施工場所が点在し、「手間がかかる」と敬遠される工事もあるという。

 このため道は、近くにある複数の工事をセットにしたり、入札に参加できる条件を緩めたりして再入札し、入札不調だった工事のうち10月末までに56件を落札させた。工事場所が点在する場合は、移動・運搬費も予定価格に算入するほか、資材を遠隔地から調達せざるを得なかった場合、落札後にその費用を含めた変更を協議する。また、公共工事は単年度で実施することが原則だが、再入札には時間がかかり、冬場になると仕事が難しくなる。道は補助金や交付金を出す国と協議し、工事を翌年度に繰り越せるようにする策も検討する。