2013年3月14日木曜日

愛知県津島市立図書館です。


NPO法人まちづくり津島が運営する津島市立図書館が、大正時代に津島周辺で発行されていた地域新聞の紙面を「地方新聞集成 海部・津島 第一輯(しゅう)」にまとめた。郷土コーナーで閲覧できる。

 一昨年以降、津島市と愛西市の旧家で見つかった新聞から、編集しやすい同じ判型の9紙を複写し、600ページにまとめた。初の館蔵資料となった「関西新聞」は、津島の旧家で包装紙になっていたのが、「捨てるのもどうかと思って」と持ち込まれ、日の目を見た。


 編集した園田俊介副館長によると、大正から昭和前期、津島周辺には21の新聞社があった。「黒色解放運動」や「プロレタリア戦闘紙・大衆」など、広告を募集するはがきはあるが、実物が残っていない新聞もある。大半の新聞は、何度かあった毛織り産業好況期に誕生し、いつのまにか消えた。各紙それぞれ地元に密着し、個性豊かな紙面を作っていた。 

 「尾西タイムス」は、経営者と出身地が近い加藤高明が率いる憲政会びいきを隠さなかった。社会問題の掘り下げが得意だった「尾陽新報」は、アパート家賃を値上げする津島の家主会や、財政難なのに天王川公園を整備しようとする町当局を批判した。「大日本新聞」は、津島芸者衆のゴシップ報道にも力を入れた。