2014年3月20日木曜日

ゾーン30

通学路や生活道路の最高速度を時速30キロに抑え、歩行者や自転車の安全を図る「ゾーン30」が、県内でも整備されている。ドライバーによく分かるように、道路に黄緑色の字で「ゾーン30 ここから」と描かれている。昨年度は7カ所、今年度は10カ所指定され、新年度も新たに10カ所に出来る予定だ。学校関係者からは「子どもたちが安全に登下校できる」と喜ぶ声が上がっている。
 県警によると、「通学路がある」「歩行者や自転車の交通量が多い」「生活道路が渋滞回避の抜け道になっている」といった地域がゾーン30の対象になる。県警や各署でそうした地域を探し、実際の事故状況などを調べ、自治体や地元町内会と話しあったうえで指定する。
 これまでに、倉敷市立水島中学校、同市立第五福田小学校、岡山市立宇野小学校、笠岡市の笠岡第一病院付属診療所など、学校、医療機関、公園の周辺などで整備されてきた。
 このうち岡山市中区の宇野小学校の校区は、児童数が885人(昨年5月1日現在)と多く、近くに家電量販店や大型スーパーがあって交通量が多いことから選ばれた。約32万8千平方メートルの地域で昨年9月から今年1月末にかけて、ゾーン30を示す塗装をしたり、路側帯を示す白線を塗り直したり、車道を狭く錯覚させるような塗装を施したりした。中央線をあえて消し、車がすれ違うときに速度を落とすことを意識させるようにもした。
 同小学校の有國肇教頭は「今までは(路側帯の)白線も消えかけていて見にくかったが、子どもたちが線を守って通学するようになった。スピードを出す車も減り、子どもたちも安心できる」と話している。
 岡山市北区の鹿田小学校では、正門前の道路の路側帯を示す白線をカーブ状に車道側に膨らませ、車が校門の近くを避けて通るような工夫もしている。
 県警によると、2016年度までに40カ所以上指定するのが目標。これまでに整備した地域で実際にどの程度の効果があったのか、詳細な分析はこれからだが、安全になったと評価する声が多く伝わってきているという。県警交通規制課の担当者は「これからもゾーン30の設置を進め、重大な事故の起きない、安全な地域にしていきたい」と話している。