2012年9月20日木曜日

委員の約8割をダム推進派が占める?


 
八ツ場ダム問題に絡み、利根川水系の河川整備計画策定に関わる国土交通省の有識者会議で、委員の約8割をダム推進派が占めることが19日、関係者への取材でわかった。整備計画は、本体工事着手の最終条件の一つ。初会合は25日に東京で開かれる予定だが、見直し派の内定者は委員構成などに反発している。

 政府は昨年12月に八ツ場の建設再開を決める際、利根川の河川整備計画策定など官房長官が示した2点の裁定を踏まえ、着工を判断するとした。国交省関東地方整備局は計画の早期策定をめざし、2008年5月から会合が開かれていなかった有識者会議の委員の人選を進めていた。

 関係者によると、委員には新たに大熊孝・新潟大名誉教授、小池俊雄・東京大教授、関良基・拓殖大准教授の3人が加わる。ほかの18人は中断前と同じ推進派の学者と地方紙幹部が大半で、見直し派は1~2人。大熊、関両氏は見直し派だが、小池氏は日本学術会議の分科会委員として、国交省による再検証で建設再開に「お墨付き」を与えた。

 関准教授は朝日新聞の取材に「問題点の中身を論議する前に、数の力で押し切られてしまう。会議のあり方から問いたい」と話す。関東地方整備局は「委員も日程も最終調整中だ」としている。