2012年9月30日日曜日

岡山県校内暴力、最悪ペース


生徒が教師や他の生徒に暴力をふるう「校内暴力」が、岡山県内で過去最悪のペースで起きている。今年上半期(1~6月)は34件と、年間で58件と過去最多だった昨年上半期(29件)を上回った。昨年上半期はいなかった逮捕者も、今年同期は7人に上った。

 校内暴力の発生状況をまとめた県警少年課によると、県警が認知した校内暴力は、いずれも中学校での発生だった。

 34件のうち教師への暴力が30件。たばこを吸ったことを注意した講師を蹴ったり、私服で学校に来たことを叱った教諭の顔を殴ったりしたとして逮捕されたケースもあった。

 生徒同士では、下級生の態度が気に入らずに殴ってけがを負わせたとして、中学3年の男子生徒が傷害容疑で逮捕された事案など3件、施設損壊は1件だった。

 岡山県教委生徒指導推進室の大賀理史参事は、校内暴力の件数が増えた理由の一つとして、国が昨年発表した学校での問題行動調査で、県内の暴力行為発生率がワースト1になり、昨年8月に臨時校長会を開いたことをあげた。「県警から早めの相談を促され、各学校の意識が少し変わったのではないか」という。

 その一方で、「子ども側は教師は手を出さないとわかっているので、甘えがあったり、学校をストレスのはけ口にしたりしている傾向が強くなっている」と指摘。「現場では、立ち直らせよう、寄り添って面倒をみようとしているが、指導できる範囲を逸脱した場合、警察に話すしかない」

 県警少年課の古谷茂雄次長も、「本来、生徒を守る立場の学校が通報するのは、困り果てているからではないか。県警としても、厳正に対処していかなくてはいけない」としている。

■刑法犯、4割弱が少年 岡山県警まとめ、全国平均上回る

 県警少年課は、今年上半期の少年(20歳未満)非行状況についてもまとめた。

 刑法犯として検挙された少年は1049人(前年同期比81人増)。3年ぶりに1千人を超えた。全国の累計は約15%減だったが、岡山、鳥取、島根、岩手の4県だけが増加したという。

 刑法犯全体(2756人)に占める少年の割合は38%で、全国(22.3%)を大きく上回った。中学生(491人)が最多で、高校生(295人)が続き、未就学・小学生も78人に上った。

 種別で多かったのは窃盗犯(671人)。次いで、暴行や傷害などの「粗暴犯」が131人だった。

 岡山県迷惑防止条例違反などで検挙された少年は60人と、前年同期比で5割増となった。