2012年9月26日水曜日

サツマイモで発電


イモを燃やして電気を起こす発電装置が、29日に鈴鹿市石薬師町で開催される「芋収穫祭」でお披露目される。同町内の耕作放棄地でサツマイモを栽培し、食料や燃料などの多面的利用をめざす「ニューファームプロジェクト事業」に参加している市内の設備会社が試作した。

 北海道のメーカーが作った石炭やまきを燃やすストーブを購入。熱を電気に変える熱電素子を組み込んだユニットを組み付け、完成した。煙突も含め、高さ3.5メートル。製作したエース設備社長の国吉修司さん(60)によると、400ワットほどが発電でき、収穫祭で実際に作動させるという。

 この事業では、同町内の耕作放棄地20アールでサツマイモを栽培。収穫祭を控えた22日に雑草の刈り取りをした際、掘ってきた一部のイモをチップ化し、乾燥させて燃料で試した。順調に発電できたという。「食料になるうえストーブで暖を取ることや、発電することもできる。避難施設にはもってこい。芋エネルギーを見直してほしい」と国吉さん。

 29日午前10時からある収穫祭では、イモづくりに場所を選ばないユニークな栽培方法も提示する。鉄材を屋根型に組み、土とイモ苗を植えた樹脂製の袋をつるして栽培する。同社で2基製作し、メンバーの試験栽培でも順調な成長が確認されている。同事業のメンバーでもある近畿大の鈴木高広教授が考案。狭い面積で多くの収量を上げられるという。