2012年7月19日木曜日

路上生活男性への生活保護、新宿区に命じる 東京高裁

東京都新宿区で路上生活をしていた男性(61)が、生活保護を認めないのは違法だとして区を訴えた訴訟の控訴審で、東京高裁(春日通良裁判長)は18日、一審・東京地裁判決に続いて男性の生活保護を区に義務づける判決を言い渡した。

 判決によると、期間工や警備員として働いていた男性は2008年5月に路上生活となり、6月に生活保護を申請。しかし区は「努力すれば仕事が確保できるはずだ」として却下した。

 この日の判決は、男性がハローワークに通っても就職ができなかった事情などを考慮。「男性は生活維持のために努力をしていた」などと述べて区の却下決定を取り消した昨年11月の一審判決を支持した。

 区は「今後の対応については関係者と協議したい」とコメントした。

 判決を受け、原告側代理人の宇都宮健児弁護士は「お笑いタレントの問題や国会での法改正の動きなど、生活保護が受けにくくなる流れがある中で、働く意思のある人に受給の権利を認めた今回の判決は高く評価できる」と話した。