2012年7月27日金曜日

不用になった食用油の回収・山梨

天ぷら油のディーゼル車燃料へのリサイクルが県内で徐々に広がり、遅れていた山梨県東部の市でも住民から回収する活動が始まった。桂川流域の水質浄化にもつながるだけに、市民団体や自治体の活動が定着し、住民に理解と協力が広がることが期待されている。

 都留市役所の庁舎前に今月7日、3個の赤いポリタンクが並んだ。市広報などで回収活動を知った市民らが、使用済みや賞味期限が切れた食用油を家庭から持ち寄り、注ぎ込んだ。
 回収を企画したのは市民団体「バイオディーゼルネットワークやまなし」。都留市の市民生活課も協力し、職員が作業に参加した。
 自宅から天ぷら油を持って来た県職員本山安治さん(55)は「油は捨てる所がない。都留は水道の水がおいしく飲める所なので、水を大切にしたい」。ネットワークやまなしは「大さじ1杯の天ぷら油を流すと、魚がすめる環境に戻すためには300リットルのきれいな水が必要」と訴える。
 県内で不用になった食用油の回収は、ネットワークを支える生協「パルシステム山梨」の啓発活動とともに広がった。生協は2003年、甲府の組合員から回収を開始。甲府市は07年度から市の事業として回収し、11年度の回収量は7750リットル。県中西部の大半の市は数年前から担当課が食用油を回収している。