2012年8月24日金曜日

がれきの受け入れ撤回・愛知県

東日本大震災で発生したがれきの受け入れ計画について、愛知県の大村秀章知事は23日、宮城県が地元や近県で処理する方針を表明したことを受け、撤回することを決めた。県内3カ所で計画していた処分場建設も中止となった。

 23日夕、環境省と宮城県の担当者が愛知県公館を訪れ、大村知事と面会。愛知県が受け入れをめざしていた宮城県の不燃物がれきについて、県内と近県で処理する方針を説明した。

 これを受けて大村知事は記者会見し、計画の撤回を表明した。県は不燃物がれきの受け入れに向け、知多、碧南、田原の県内3市に埋め立て処分場の建設を計画。調査費など約6億円の予算を計上し、一部はすでに執行された。県は今後、執行分について国に負担を求める方針だ。

 今回の計画撤回を受け、知多市の加藤功市長は「被災地の状況が変化していることから、適切な判断と受け止めています」とのコメントを発表。田原市の鈴木克幸市長は記者団に「がれきの状況に変化があり、引き受ける必要がなくなった。こうした流れの中では(撤回は)当たり前のこと。冷静に客観的に、それで良しとするしかない」と述べた。碧南市の祢宜田政信市長も「適切な判断」としたうえで、「早めに判断していただき、大変ありがたい」とコメントした。

 震災がれきは、大村知事が今年3月に受け入れを表明。その後、仮置き場や焼却施設、埋め立て地を整備する方針を示していた。しかし、5月下旬、環境省が被災3県以外で受け入れが必要な可燃物がれきの見直しを発表。可燃物の処理必要量が大幅に減ったため、県は焼却施設の建設をやめて不燃物の受け入れをめざすことにした。

 がれき受け入れをめぐっては、6月県議会で大村知事が提案したがれき関連予算の一部を自民党が減額修正するなど、県議会との対立要因にもなっていた。