2012年10月19日金曜日

米粉パン、学校給食導入検討

東広島市河内町小田の農事組合法人「ファーム・おだ」が今春開いたパン工房の米粉パンが人気だ。使うのは、地元で取れた自前の米粉。省力化を進めた結果、出てきたアイデアを形にした。東広島市教委も注目し、学校給食への導入も検討。

 広島県農業担い手支援課によると、ファーム・おだは2005年11月に設立。当時すでに農家は高齢化が進み、後継者は不足。耕作放棄地は増える一方だった。小田地区は県内でも有数の米の生産地だが、設立前に農家にアンケートしたところ、「10年後にはやめる」が64%に及んだ。

 現在は128戸が加わり、経営面積は84ヘクタール。県内の特定農業法人で最も広い。

 21日にはパン工房周辺で「小田営農収穫まつり」を開き、米粉パンを始め、地元の小田米や野菜など特産品を販売。小田米を使った炊き込みご飯と豚汁のセット(300円)も用意する。午前10時10分からは、ふれあい収穫体験として、無料で稲刈りやさつま芋掘り(芋掘り用のシャベルなどは持参)もできる。問い合わせや収穫体験の申し込みは、ファーム・おだ(082・438・0987)。パン工房は午前8時半から売り切れるまで。火曜定休。

     ◇

 〈特定農業法人〉 集落の合意のもとで農地を集積し、大規模に農業生産を行う団体で、市町村長が認定する。経営形態によって農事組合法人と会社法人に分かれる。県内では1989年に庄原市の一木生産組合が設立されたのをきっかけに、効率的に生産できる法人化の流れが広がった。現在、全国で最も多い220法人が設立されている。