2011年10月7日金曜日

続・雪舟くん



岡山県総社市の乗り合いタクシー「雪舟くん」のため、市内のタクシー業者が苦境に追い込まれていると、6日、改善を求める陳情書を市長に出した。
「雪舟くん」は4月からワゴン車9台を運行する。今の総社市出身の画家雪舟にちなんで名付けられた。利用料金は1回300円。電話で予約すると自宅まで迎えに来てくれる。9月の1日平均利用者は210人で、目標の250人には届いていない。
陳情書を出したのは市内の5業者。乗客が去年より1割減ったといい、片岡市長に「このままではタクシー会社はだめになる」「乗務員の生活が成り立たない」と苦境を訴えた。陳情書では、利用料金の見直しなどを要望している。
片岡市長は「要望には柔軟に対応する。減収分は市で穴埋めを考えたい」と答えた。穴埋めの方法について片岡市長は朝日新聞の取材に「秘策はある。来年度実施に向けて年内にも案をまとめたい」と話した。

以前にもこの場でも、雪舟くん取り上げました。スーパーと提携するなどして、買い物弱者対策も考慮されていることなど紹介してきました。ここにきてタクシー会社と競合するという問題が浮上してきたわけです。各地で様々試行錯誤している公共交通対策の柱は、タクシーの便利さとバス交通の低廉さを追究する、二律背反状態です。しかしこの方向を追究しなければ生活交通の確保は厳しいだろうと思います。まして高齢化の進展はマイカー頼みの移動から、公共交通へのシフトが待ったなしで求められるのです。しかも全国各地、農村だけでなく都市においても。
したがって、今回のような問題が起きるとすぐ、この施策はダメという性急な結論じゃなく、もっと話し合ってよりよい改善を行ってほしいと思います。