2011年10月21日金曜日

自主防災組織って責任はどうなの?

 震災から7カ月。被災地の人々も「あのとき、こうすればよかった」と顧みる余裕が出てきた。そうした中で、自主防災組織がしっかりしていれば犠牲者をもっと少なくできたのではないか、といった声を耳にすると胸が痛む。私は約180世帯の地区自主防災会の会長を務めているが、私の地区からも20人もの犠牲者が出てしまった。会長としての任を果たしたかと言われれば答えに苦しむ。
  「予想される津波の高さは3メートル」。これが津波警報の第一報だった。それくらいの高さなら、高さ4.5メートルの防潮堤を越えることはまずないと思った。同じように考えた人も多かっただろう。
 それでも、自分では動きにくい高齢者をとにかく避難させなければならない。ところが、最初の人のところで手間取っているうちに、「津波だ」との叫び声。その声で、私自身も必死になって高台に逃げるのが精いっぱいだった。
 自分の避難を後回しにして地区の人たちを避難させることができれば、もっと助かった人がいたかもしれない、と思う。
 自主防災組織の役割は何で、その責任はどこまでか。今回の大災害を機に明確にすることが必要だろう。ただ、過大な期待をされても難しいのが現実だ。

今日の朝日新聞の投書です。
岡山市はどうなってるか調べてみると、自主防災会組織率を目標としてH22年度30%H27年度40%H37年度70%を掲げていました。「自主・共助の精神のもと各単位町内会に自主防災組織を設立し、地域の防災力の強化を図り、70%をめざす」と書かれています。

岡山市議会の議論紹介
質問
自主防災組織づくりと組織率。
 当局から防災情報が発信された場合,各個人がばらばらな行動をとったら,かえって危険です。自主防災組織があって初めて安全な避難場所への避難が可能となります。当局の資料では,自主防災組織活動カバー率は50.2%です。この数値は,政令指定都市の中で19位と最下位でございます。ちなみにトップは名古屋市。また,県内の市町村27自治体の中で20位です。ちなみに1位は久米南町です。決していいランクではありません。
 そこで質問します。
 自主防災組織活動カバー率は政令指定都市の中で現在最下位ですが,今後,そのカバー率をいつまでに何%アップするのか,具体的な数値でお答えください。

答弁◎難波康廣消防局長  東日本大震災を受けて市地域防災計画の見直しについての項,自主防災組織率についての御質問にお答えします。
 自主防災組織率の50.2%は,町内会を単位とした自主防災会と婦人防火クラブを合わせたもので,自主防災会だけの組織率は平成22年度末27%であります。岡山市都市ビジョンにおいて,自主防災会の組織率を平成27年度までに40%とすることを目標としておりますが,東日本大震災を踏まえ市民の防災意識が非常に高まっており,今後は町内会等で実施されている消火訓練や応急手当て訓練,出前講座等においても,自主防災組織の重要性を広報することにより,一層の組織率向上を図ってまいりたいと考えております。


投書から学ばなければならないのは、私たちの議論が組織率という数字を追いかけているだけで、その組織が機能するための問題点を具体的に整理してきたのだろうか。防災の中心に自主組織を据える危うさはないのか。行政当局の役割は何なのか、原点に戻って議論が必要だと思います。