2011年9月29日木曜日

絶望の中で連帯を求めて

昨年の大晦日、日本航空から整理解雇された165人のうち148人は「不当解雇」として裁判を闘っている。
知識や経験のある乗員、客室乗務員が集中的に、年齢で切られたそうです。
新聞各社は、この解雇やむ終えないと報じたが、以下の点は黙殺です。

第一に、日航が「二五〇人整理解雇」を発表した一一月一五日の時点で、「希望退職」応募者数が当初、日航本体の削減目標としていた一五〇〇人を上回り、すでに一六〇〇人を超えていたこと(最終的に一七〇〇人以上)。それなのに、なぜ二五〇人もの整理解雇が必要なのか――。

第二に、二〇一〇年四月~九月期の営業利益が当初計画の二五〇億円を大きく上回る一〇九六億円に達し、再建が順調に進んでいたこと。これも整理解雇の必要性を強く否定する。

第三に、整理解雇実施には厳密な四要件(①人員削減の必要性②解雇回避努力の実行③解雇選定基準の合理性④解雇手続きの妥当性)が必要であり(最高裁で確立した法理)、日航の整理解雇がこの要件を備えていないこと。たとえば、日航の解雇人選基準には、「五五歳以上の機長」「五三歳以上の客室乗務員」などILO条約に違反した年齢差別がある。「希望退職者」数、営業利益などから見ても、「人員削減の必要性」など四要件は全く充たされていなかった。

第四に、二兆三〇〇〇億円もの負債を作ったのはいったいだれなのか、という日航の経営破綻の原因。七〇~八〇年代以降、天下り官僚多数を含む経営陣の放漫・乱脈経営は、巨額の損失(ドル先物予約で二二〇〇億円、ホテル投資での四〇〇億円など)を出してきた。そのうえ過大な需要予測に基づく過剰投資(二兆円も注ぎ込んだ大型機の大量購入)で損失を重ね、九〇年代以降の「規制緩和」による高収益路線の奪い合いで、不採算路線の赤字補填が不可能になった。これは自民党政権下の航空行政にも重大な責任があった。

明日、稲盛和夫会長が証言台に立つそうです。注目です。