中央通りの再整備は、市が進める大分都心南北軸整備事業の中心事業。市は、市民との意見交換会などを通じて要望や提言を受け整備方針を検討。中央通りや周辺道路の交通量も調べ、3車線でも将来的に余裕があると推計している。
素案では「歩道空間の拡充によるにぎわい空間の創出」が求められているとして、両線とも幅7メートルの歩道を下り線(中央町側)は12メートルに、上り線(府内町側)は約10メートルに拡張。どちらの歩道も車道側の幅2.5メートルは自転車通行帯にする。それに伴い車線を削減。下り線は1車線だけにして、その外側にバスなどの停車帯(幅2.5メートル)を設ける。上り線は2車線にする。
市は今後、地元商店街関係者らと社会実験の協議会を立ち上げ、実験の検証結果を反映させた整備計画を定める方針。17年にかけて下り線を整備し、その後、上り線に着手するという。
この日の市議会建設常任委員会で市が素案を説明すると「地元が納得するのか」「これで、にぎわいが生まれるのか」と懸念する声が噴出。地元の事業者や住民でつくる「中心市街地の活性化を考える会」は、車線減に反対して市議会に請願を出し、9月に採択された。薬真寺章三会長は「困惑している。中央通りは大動脈。これ以上、混雑に拍車がかかると、買い物客は郊外に流れ、新しくできる駅ビルとの共存共栄も厳しいと思う」と話す。
釘宮磐市長は「今後も、市民や関係者の皆様と、長期展望に立った幅広い議論を尽くし、回遊性とにぎわいのある、魅力あふれる中心市街地をつくってまいりたい」とコメントした。