2012年11月8日木曜日

神奈川県、県立図書館の貸し出し・閲覧廃止検討



神奈川県は7日、県立図書館(横浜市西区)と県立川崎図書館(川崎市川崎区)での蔵書の貸し出しと、閲覧機能の廃止を検討していることを明らかにした。緊急財政対策の中で、県立図書館は「機能の純化・集約化を含めた検討」が必要とされていた。今後は蔵書の横断検索・相互貸借システムを拡充し、2館の蔵書を各市町村立図書館で読めるようにするという。

 この日の県議会決算特別委で、二見研一・教育局長は「身近な図書館で閲覧できれば、利便性の向上につながる。市町村と連携して新たな図書館のあり方を考えたい」と説明した。ただ、今後については「見直しはスタートしたばかり。議会とも議論を尽くして方向性を見極めたい」と述べるにとどめた。 

 県教育局生涯学習課によると、昨年度の2館の維持運営管理費は1億1330万円、事業費は2億1480万円。利用者数は計43万5791人で減少傾向が続いている。蔵書数は県立図書館が79万6678冊、県立川崎図書館が24万6191冊。市町村立図書館と違い、児童図書や一般書よりも専門書が中心という。